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ラ○ト○ゾ○ト……?
先日、妹が急に、
「ホームステイしに、アメリカに行く」
と言い出した。
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* 07:52 * comments(10) * trackbacks(0) *
大学時代のY教授
今年の年賀状の中に、大学時代の恩師Y教授からのがあった。

「私も今年度で、引き時だと思っております」

何とも寂しい言葉。
私は、アノY教授が、こんな事おっしゃるなんて、
よほどお気を弱くされてるんだと、
心配した。



S女子大学に入学し、3年生になった頃、私はY教授に出会った。
私は古典。『平家物語』を勉強していた。
Y教授のご専門は、芥川龍之介。その筋ではトップの研究者。
新たな分野として、上林暁の研究も開拓されようとしていた。

この女子大には大学院がない。
大学院進学を希望していた私は、K学院大学の大学院受験を計画。
その関係で、Y教授にいろいろお話を伺うことになり、
始めてその教授と間近でお話しする機会を得た。

Y教授の研究室に入った途端に驚きが。
膨大な蔵書量。
その部屋の中心に長机を2つ並べたテーブルがあり、
ゼミ生達が数人いた。
お菓子を囲んで……。

い、いったいここは、どんな研究室なんだ……。

「なんや? 誰や?」

教授はあっけらかんとした声でおっしゃる。
背は高くロマンスグレー。女生徒たちの憧れの的。

「あ、あの、K学院の大学院の事で」
「あ、河野さんから聞いてるわ、ま〜ま〜、座り」

私はお菓子を食べコーヒーを飲んでいる学生の輪に入った。
私と同学年の子がほとんどだったので、ほっとしたのだが、
急に、壁の時計が、派手な音楽を流し、人形を踊らせ始めたので、
飛び上がらんばかりに驚いた。

「ああ、めしの時間や! お前何にする? お前は?」
次々に学生に聞く先生。
そして、「あんたは? なにがええ?」
と、私にホカ弁のメニューを見せる。

圧倒されながら、一つ選ぶと、
Y先生はおもむろに受話器を取り、注文を始める。

一体どんな先生だ……?

受話器を置くと、先生
「おい! 買出しチーム!」
志願者が数人手を挙げ、買いに出かけた。

私は、先生に大学院の話を聞こうと、勇んでいったのだが、
ある学生が、
「髪を上げたいが、襟足が美しくないので困っている」
という話を持ち出し、すっかり和みムード。
とても受験の話など持ち出せる雰囲気ではない。

「俺の娘もや」
Y教授は言う。
「そやから、幼稚園の頃とか、ずっと、襟足の無駄毛を、
 俺が剃ってやってた」

「ええ?! そんなんして、
 ヒゲみたいのが生えてこないんですか?!」

咄嗟に声を上げた私。
だって、私、中学時代に、膝下の無駄毛処理を
たった一度してしまったがために、
剛毛が生えてきて、それ以来大変だったんだもの。
(注:現在は永久脱毛で平気。楽チンです)

するとY教授、まじまじと私の顔を見る。

「あんた、変やな」

Y教授の方が変でしょ……。

ところがそれがお気に召したらしく、
今後の研究室の出入の許可を得た。

翌日、廊下で友人と立ち話をしていると、
私の背後に、友人の目が釘付けになる。

「?」と振り向くと、
ものすごい勢いで走ってくるY教授。

な、何?! どうしたの?!

とみている私めがけて走ってきて、
私のお気に入りのバッグに、

とび蹴り!!!

な、なにするんですか〜!

「いや、いい感じの丸い鞄だったんで」

意味分からないんで、先生……。

またある日は、
研究室に大袋で落花生(殻つき)を持ち込み、
講義が終わるたびに帰ってきては、無心に召し上がる。

ナッツ類がとにかくお好きなのは知っていたが、
そんなに食べて胃を悪くしないんだろうか
と心配していたら、
案の定、顎にブツブツが。

一人喜んで
「俺もまだ若いな、にきびが出来るとは」
とルンルン。

すると学生の一人が
「それは、フキデモノというのでは……?」

そう言われたY教授は、
その学生をじっと見つめた後、深い溜息をつき、
一日中ヘコんでいらっしゃった。

自転車通勤で、まっすぐこがずに、道幅一杯に蛇行するし。
階段は、必ず一段飛ばしで上がるし(50代後半でした)

廊下であったら、予告ナシに鍵の束を投げつけてきて、
どこかへトンズラするし
(研究室に入ってコーヒーの用意をしていてね、の意思表示)

とにかく変で、活力に満ちて、
でも大人気の教授だった。

その教授が
「引き時」だなんて……。

卒業してからは、2,3回しか会いに行っていない。
きっと、随分年を取られたんだろう。
だからこんな弱気なお言葉を……。

あるいは、病気か……?

心配すればするほど、こわくなって、
私は大学に電話をかけた。

しかし、折悪しく、先生は出校されていない。

そこで、思い切って事務の方に聞いてみた。

「あの、Y先生が、退官なさるとか……」

「……は?!」

「あ、じゃあ、あの、お体は……」

「全然。お元気ですが?」

「……」

また引っかかってしまった。

Y教授は、遊びに来て欲しくなると、
こういう手紙を送ってくるんだった。

そういえば、数年前も、
「もうだめだとおもいます」
とか書かれて、焦って会いに行ったら、
「おう! きたか! まぁ、すわれすわれ!」
と、元気一杯だった……。

……だまされた。またしても。
* 09:59 * comments(4) * trackbacks(0) *
オヤマなパパ
数年前に、クラシックギターを習っていた。
その先生は、私より二つくらい年下の男の先生。

ある日、その先生が、歌舞伎役者の息子さんだという事を知った。
お父様の舞台も、実は見たことのある人だった!!

「いいんですか、先生、ギターなんか弾いてて」

と、うっかり口を挟んでしまった私。
どんな確執があったかもしれないのに、
イケナイこと言っちゃった〜。
と、瞬時に後悔。

「あ、いいんですよ。
 うちは、代々歌舞伎役者ってわけじゃなく、
 父がいきなり入門してやってるだけなんで、
 継がなあかんわけでもないんですわ」

内心、ほっ……。

「うちのおやじは、女形(オヤマ)でね〜。
 やはり忙しくてなかなか帰ってこれないんですが、
 たま〜に帰ってくると、随分厳しく接せらてましたよ」

ああ、やはり厳しい世界の人だからね。

「で、僕に正座をさせてね、こんこんと叱るんですが。
 興に乗ってくると
   〜だわいの とか  〜しゃんせ だのと、
 女形言葉で怒るんで、ある意味恐かったですね〜。
 で、翌日の舞台なんか見に行くと、
   あれ? 聞いたことのあるセリフ……
   これ、昨日怒ってたときのセリフやん……
 てこともありましたよ」

そ、そうなんだ……。常に稽古を忘れないプロ意識からか?!

歌舞伎の家の人も、(いろんな意味で)結構大変だなぁ、
と、思ったのだった。
* 10:39 * comments(2) * trackbacks(0) *
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