監督:クロード・ミレール
脚本アニー・ミレール
原作アントン・チェーホフ「かもめ」
人物表
リリィ(主人公)
ジュリアン(その彼氏)
シモン(ジュリアンの伯父。マドの兄)
マド(ジュリアンの母。シモンの妹。女優)
ブリス(マドの彼氏。映画監督)
マリー(ジュリアンをひそかに愛している女)
セルジュ(医者)
レオンヌ(マリーの母。セルジュと不倫している)
L・サニエ演じる主人公リリィ。彼女の彼氏ジュリアンは映画を取ろうと必
死。リリィを役者にショートフィルムを撮ったが、女優である母に酷評され
る。リリィは、ジュリアンの映画を理解できず、母に反発するジュリアンに
うんざりした上、ジュリアンの母の彼氏で映画監督のブリスと駆け落ちして
しまう。
ジュリアンは自殺未遂をするが母に止められ入院。4年後、ブリスと別れ、
売れっ子女優になったリリィと処女作を撮る予定のジュリアンが再会。
ジュリアンはマリーと結婚し子供もできて幸せ。別段リリィとよりを戻す気
配もない。
というストーリー。
初めは、母への反発を持つ青年の物語かと思った。つまり主人公の魅力より、ジュリアンの苦悩や葛藤の方が魅力的で、引き込まれてしまう。
でも、主人公はリリィ……。
その視点で考え直せば――、
リリィは若気の至りで、彼の苦悩を理解できずに快楽や名声に心を奪われ、
大人の男と駆け落ちするが、パリで結局後悔していた。
そこへ、リリィに捨てられた夏を脚本化したジュリアンと出会い、自分の
役は自分で演じたいと懇願。傷つけた人々に許して欲しいと願っていた。
のか(?)。
でも、やっぱりわからない。
駆け落ちするまでのリリィの心情はよく描かれているが、その後のリリィの心情描写がほとんどない。取り巻きや新しい友人と彼氏の家でパーティしてお高くとまった嫌な若手女優としか見えてこない。
そのために、ジュリアンの映画に役をくれと懇願する時も、
「この女、今何してまで役が欲しいの??」
と思ってしまったくらい。
でも、登場人物の一人、文句と愚痴ばかり言ってる70歳の老人シモンが、
「この年まで何も経験しなかった。人生に期待していたが何も起こらなかった。そういう運命だったのさ。人生は短い」
とリリィに言っていたので、それをテーマにしたのなら、リリィが主人公というのには頷ける。
でもやっぱり、苦悩し、抗い、絶望して、立ち直ったジュリアンを描いた方が、「映画を見たナー」と言う気になるんじゃないかな。
勝手な言い分だけど。
ムッシィユ クロード・ミレール、ごめんなさい。
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