<< March 2024 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

* * - * - *
LA CENA(1998年 / イタリア、フランス)
監督:エットレ・スコーラ 制作:フランコ・コミッテリ
脚本:エットレ・スコーラ、フリオ・スカルペッリ、シルビア・スコラ
撮影:フランコ・ディ・ジャコモ 音楽:アルマンド・トロヴァヨーリ
出演:ファニー・アルダン、ヴィットリオ・ガスマン、ジャンカルロ・ジャンニーニ、マリー・ジラン 他

(c)MEDUSA FILM


ローマにあるレストラン『アルトゥーロの店』。オーナーアルトゥーロの妻フローラのゆったりした采配の元、さまざまな客がやってくる。ほとんどが予約客だ。馴染み客の老人はそれぞれの客の会話に耳を傾け、観察する。若い女学生した火遊びのつもりが本気にされて困っている教授。けばけばしいが情愛たっぷりの母親と清楚で修道女になることを望む娘。分かれた老齢の父親に恨みをぶつける娘。妊娠を疑って結婚するのは嫌だと話し合うカップル。インスタントカメラで写真ばかり撮っている日本人親子。四股をかけていてちっとも悪びれもせずに組まれもしない美しくチャーミングな女性と男たち。魔術師と名乗る男に人生相談をし、思わぬ能力を発揮する中年の小男。演出家と役者の交渉。料理人の嘆きと新米店員の確執。そしてフローラの姪、シモーナの誕生日パーティーとそれに関わってのシモーナ母娘のすれ違い。それぞれの人間模様や人生を、会話だけで成立させている珍しい作品。場所は店のみで話を展開している。


構成としては結構面白い作品だと思うし、人生や生き方、強い女弱い女、親子など、当たり前に人間が抱える悩みや確執を色とりどりに見せてくれる。

ただ、2点、気に入らない点がある。

1点目は、主軸となるはずのフローラの不倫が、チラリとしか出てきていない。
出しすぎてもいけないし、早い段階で不倫してる事を見せるのはもちろん反対だが、あまりにも少なすぎる。不倫してると分からせた後のフローラの
苦悩が薄い。彼女が恋を断ち切るだけの力を、彼女にもたせてやってからでないと、
何となく止めにした。
年を取ってるからやめにした。
と、とられる危険性があると思う。


もう一点気に入らないのは、日本人の扱い。
子供がゲームに夢中で口を空けて母親が食べさせている。
これは日本人に責任がある。食べる物を楽しんで感謝してしっかり食べないなんて、本当に恥ずかしい。しかし、今国内ではよく見られる光景だ。
しかしそれ以上にいやだったのが、
「日本人=眼鏡をかけて写真を撮る」
という図式がいまだ払拭されていない事。
言っちゃなんだが日本に観光に着てる外国人も
カメラばっかり覗いてるではないか!!! 
こんなの偏見だ! 
以前カナダ人から
「日本人は電車で寝るね。かっこ悪い」
といわれたが、ロンドンの地下鉄では、半分以上の人が寝てたぞ!!! 

そしてもっと許せないのが、その日本人達の言語だ。
なんと、韓国語を話してる。日本人と設定するならもっと日本人を研究して使って欲しい! 

こんな雑な作りをしたものが、1999年モントリオール国際映画祭で「特別グランプリ」を受賞している。許せない気持ちだ。
* 20:47 * comments(2) * trackbacks(0) *
tuesdays with Morrie(1999:Harpo Films アメリカ)
監督:ミック・ジャクソン 
製作総指揮:ケイト・フォート、オプラ・ウィンフリー
原作:ミッチ・オルボム 
脚本:トム・リックマン
出演:ジャック・レモン
   ハンク・アザリア
   ウェンディ・モニツ
   キャロライン・アーロン
   ボニー・バートレット 他


   仕事に生き、愛する恋人もいるミッチ(ハンク・アザリア)。
   忙しさの余り、人生の意味を見失っていた。
   けれどもそれは、忙しさが原因でない事がわかる。
   愛する事、愛される事、人生に向き合う事――
   それらを怖れ、避けてきたからだと気づく。
   それを気づかせたのは、十六年ぶりに再会した
   恩師モリー教授(ジャック・レモン)。
   彼は、筋萎縮性側索硬化症という病を得て、
   死を待っている状態。
   病魔は足先から徐々に肺へと上って行き、
   呼吸も困難になる。
   教授は、苦しい息をしながらも、
   毎週火曜日、ミッチに言葉をつづっていく。

    「死に方が分かれば生き方も分かる」

    「愛し合わなければ人は死ぬ」

    「いつ死ぬか分からない。
     死に際して悔いを残さないために、人を許せ」

   2001年に亡くなったジャック・レモンの
   遺作となった感動的な作品。




モリー教授の生い立ちをも織りまぜながら、
ミッチが人間らしい人生へとシフトしていく様子を、
丁寧に描いている。
モリー教授が聖人扱いされるわけでなく、
自分の死期の近いことに涙しながら、毎朝を迎えるシーンもあって、
人間らしい彼が描かれていた。
人間らしいからこそ、彼の言葉には重みも意味もある。

毛布に包まっての鑑賞だったが、見終わった頃には、
毛布の上に涙の湖ができていた。

肩に鳥がいる。
その鳥に問いかける事を、私は知っていたのに、
この頃その鳥に問いかける事をしなくなっていた。

人生最後の日の風景を目に焼き付けて、
穏やかに眠りに付く日を迎える。
自分の最後の日の窓の外の風景を想像した。

その日を穏やかに迎えたいなら、
つまり、ちゃんと死にたいなら、
ちゃんと生きなきゃだめだなぁ、
と、改めて思った。
* 14:36 * comments(0) * trackbacks(0) *
Too young to die?(米:1990 )
監督:ロバート・マーコウィッツ
製作:スーザン・ウェーバー=ゴールド、ジュリー・アン・ウェイツ
製作総指揮:ロバート・M・サートナー、フランク・フォン・ザーネック
脚本:デヴィッド・ヒル、ジョージ・ルビノ
出演:ブラッド・ピット、ジュリエット・ルイス他



   不幸な女の子アマンダ・スー(ジュリエット・ルイス)。
   ステップファザーに性的虐待を受け、それを実の母に打ち明けたがために
   親に捨てられた14歳。
   ろくな教育も受けていないため、精神年齢は5歳(弁護士談)。
   彼女は、さまざまな人に利用され騙され、15歳になるまでに、結婚、
   ストリッパー、暴力、安らぎと裏切り、そして殺人を経験する。

余りにも無教養で、余りにも不幸なこの少女は、結局、死刑を宣告される。
最終弁論での、検察側、弁護側の弁論は共に素晴らしく、どちらも印象的であり、かつ、時代を象徴している。
この手の不幸な結末の映画は、大っ嫌い。
でも、やはり最後まで見てしまうし、ハッピーエンドより心に残る。
無垢なる者を裏切る大人たちを描く。
そういう点では、ダンサー・イン・ザ・ダークに通じるものもあるのではないだろうか。
但し、主人公の性格は全く違うけれど。

あー、疲れた。

* 22:11 * comments(0) * trackbacks(0) *
la petite lili(仏:PYRAMIDE)
監督:クロード・ミレール
脚本アニー・ミレール
原作アントン・チェーホフ「かもめ」
人物表
リリィ(主人公)
ジュリアン(その彼氏)
シモン(ジュリアンの伯父。マドの兄)
マド(ジュリアンの母。シモンの妹。女優)
ブリス(マドの彼氏。映画監督)
マリー(ジュリアンをひそかに愛している女)
セルジュ(医者)
レオンヌ(マリーの母。セルジュと不倫している)


  L・サニエ演じる主人公リリィ。彼女の彼氏ジュリアンは映画を取ろうと必 
  死。リリィを役者にショートフィルムを撮ったが、女優である母に酷評され
  る。リリィは、ジュリアンの映画を理解できず、母に反発するジュリアンに
  うんざりした上、ジュリアンの母の彼氏で映画監督のブリスと駆け落ちして
  しまう。
  ジュリアンは自殺未遂をするが母に止められ入院。4年後、ブリスと別れ、
  売れっ子女優になったリリィと処女作を撮る予定のジュリアンが再会。
  ジュリアンはマリーと結婚し子供もできて幸せ。別段リリィとよりを戻す気
  配もない。
というストーリー。

初めは、母への反発を持つ青年の物語かと思った。つまり主人公の魅力より、ジュリアンの苦悩や葛藤の方が魅力的で、引き込まれてしまう。

でも、主人公はリリィ……。
その視点で考え直せば――、

  リリィは若気の至りで、彼の苦悩を理解できずに快楽や名声に心を奪われ、
  大人の男と駆け落ちするが、パリで結局後悔していた。
  そこへ、リリィに捨てられた夏を脚本化したジュリアンと出会い、自分の
  役は自分で演じたいと懇願。傷つけた人々に許して欲しいと願っていた。
のか(?)。
 
でも、やっぱりわからない。
駆け落ちするまでのリリィの心情はよく描かれているが、その後のリリィの心情描写がほとんどない。取り巻きや新しい友人と彼氏の家でパーティしてお高くとまった嫌な若手女優としか見えてこない。
そのために、ジュリアンの映画に役をくれと懇願する時も、
 「この女、今何してまで役が欲しいの??」
と思ってしまったくらい。
 
でも、登場人物の一人、文句と愚痴ばかり言ってる70歳の老人シモンが、
 「この年まで何も経験しなかった。人生に期待していたが何も起こらなかった。そういう運命だったのさ。人生は短い」
とリリィに言っていたので、それをテーマにしたのなら、リリィが主人公というのには頷ける。

でもやっぱり、苦悩し、抗い、絶望して、立ち直ったジュリアンを描いた方が、「映画を見たナー」と言う気になるんじゃないかな。
勝手な言い分だけど。
ムッシィユ クロード・ミレール、ごめんなさい。

* 21:54 * comments(0) * trackbacks(0) *
| 1/1PAGES |